屋根材の歴史は古く昔より様々な屋根材が使われてきました。
屋根材のひとつに「スレート」があります。
岩やセメントなどから作られ、多くのメリットがあるため、とても重宝されています。
ただ、このスレートは昔、強度を補うために1996年以前は
アスベスト(石綿)を混ぜて作られていたことがあります。
これは一般的に「石綿スレート」と呼ばれ、今でも多く屋根に残っています。
石綿(アスベスト)および石綿製品は、2006年(平成18年)9月1日より
製造、輸入、譲渡、提供、使用が禁止されました。
石綿の使用は石綿の品種や使用量により段階的に禁止されました。
・1975年(昭和50年)10月1日:5重量%を超える石綿の吹付け原則禁止
・1995年(平成7年)4月1日 :1重量%を超える石綿の吹付け原則禁止
・2004年(平成16年)10月1日:1重量%を超える石綿含有建材、摩擦材、接着剤等、10品目の禁止
・2006年(平成18年)9月1日:0.1重量%を超える石綿含有製品の禁止
(参考)アスベスト全面禁止(平成24年政令改正)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/sekimen/hourei/dl/hou07-281c.pdf
この中で1996年のを境にアスベストを含まないノンアスベストのスレート屋根材が広く
販売されることになります。
※現在ご自宅のスレート屋根にアスベストが含まれていても、特に問題はありません。
労働安全衛生法施行令で規定されています。
しかし新しく屋根を葺き替えるときにアスベストが混入したスレートに屋根材を交換すると、
これはアスベスト製品の使用にあたるため法律違反です。
「法律で禁止されたとき既に使用されていたアスベスト製品を、そのまま使い続ける」
のが、例外的に認められています。
このノンアスベストのスレート屋根材がいま耐久性において問題となっています。
新築時に屋根は一生ものと考える方が多いです。
しかし、スレート屋根はアスベスト入りの商品でも30年程度が寿命の目安です。
20年前に販売されたアスベストが入っていない屋根材はさらに寿命が短くなる傾向にあります。
つまり、スレート屋根は築後15年~30年の間に本格的な改修工事
(塗装またはカバー工法もしくは葺き替え)が必要となるということです。